神経系の機能障害①
◆神経系とは
概要:インパルス伝導に関係する伝導組織 ( 軸索,ミエリン鞘,シュワン細胞 )と
伝導組織を取り巻くようにして保護する結合組織から構成される.
主な機能は情報を伝達することであるが,インパルス伝導性を確保するための
複数のメカニズムが存在する.これらのメカニズムの障害が,痛みやしびれ,
可動域障害を引き起こすとされる.
◆神経系が関連する「痛み」は主に2つに分類される
1.神経原性疼痛;Neurogenic Pain
2.神経障害性疼痛;Neuropathic Pain
1.神経原性疼痛;Neurogenic Pain とは
概要:神経に生じた一過性の機能異常による疼痛.2次的作用によって
神経系が一時的に障害されたことによって起こる疼痛.
例:正坐による下肢の痺れや痛みなど
2.神経障害性疼痛;Neuropathic Pain とは
概要:体性感覚神経系が障害されることで生じる疼痛.損傷組織が治癒したにも
関わらず持続する疼痛・感覚異常.
種類:以下の3つが報告されている.
①中枢神経感作;Neuropathic Pain sensory Hypersensitivity
②脱神経系神経障害性疼痛;Neuropathic Pain Denervation
③末梢神経感作;Neuropathic Pain Sensitization
①中枢神経感作
中枢神経における感作(感作;過敏な状態)によって生じつ疼痛.
刺激と反応の関係が不釣り合いで強い能力・機能障害を引き起こしていることが多い.
②脱神経系神経障害性疼痛
神経組織が圧迫や絞扼により生じる疼痛.脊柱近傍(神経根,脊髄神経,自律神経背側核)にて生じ,該当分節への機械的刺激にて症状が変化する
③末梢神経感作
神経を支配している神経(Nervi Nervorum)が過敏な状態.伸長などの機械的刺激により症状が変化する.